「衣装は最初の一言」
ステージに立った瞬間、まだ歌っていなくても、まだ喋っていなくても。観客に最初に届くメッセージって、実は衣装なんですよね。「かわいい」「強そう」「儚い」「楽しそう」――その印象は、ほぼ0.5秒で決まるといわれています。だから衣装は、自己紹介であり、世界観の扉でもある。音楽やパフォーマンスの前に、もう物語は始まっているんです。
特にトランスジェンダーのアイドルやアーティストにとって、衣装は単なる演出ではありません。「自分はこう在りたい」という意思表示でもあり、「ここにいる」という宣言でもある。だからこそ、衣装が持つ意味はより深く、より切実になることがあります。

衣装は“自分を守る鎧”でもある
もうひとつ大事なのが、衣装は外向きだけじゃないということで、実は心の内側にもすごく効きます。普段の服だと緊張するのに、衣装を着た瞬間スイッチが入る、あの感覚「あ、今の私は表現者だ」って、心が追いつくような感覚。特にアイドルやアーティスト、など“見られる仕事”では、この心理的効果はかなり大きい。そしてトランスジェンダーの表現者にとっては、衣装が「自分自身を肯定するスイッチ」になることもあります。鏡の中の姿が、やっと心と重なる瞬間。その安心感や高揚感は、パフォーマンスの強さに直結する。衣装は演出であると同時に、自己肯定の装置でもあるのです。
「似合う」より「語れる」衣装
よく「似合ってるかどうか」を気にしがちだけど、実はもう一歩先があります。それは「その衣装で何を語れるか」なぜこの色なのか。なぜこの形なのか。背景にコンセプトがある衣装は、写真一枚でも強い。SNS時代は特に、“説明できる衣装”が拡散されやすいんです。

Seraとして衣装をどう考えるか
Seraでは、衣装を「消耗品」じゃなく「物語」の一部として捉えています。楽曲、世界観、そして衣装。全部がつながって、初めて“その人らしさ”になる。それは、トランスジェンダーであるかどうかに関わらず、「その人の人生」が滲み出る衣装であることが大切だということ。完璧に高価じゃなくていいのです。大事なのは、その人の歩んできた背景や想いが、ちゃんと染み込んでいるかどうか。
衣装は飾りじゃなく、生き方を、そっと可視化する魔法なんです。
