最近、少しずつですが映画やドラマ、バラエティ番組のキャスティングで「多様性」を意識した話題を耳にすることが増えてきました。エンタメの現場は、静かに、でも確実に変わり始めています。そんな今だからこそ改めて考えたいのが、「オーディションに勝つ子って、どんな子?」という話。

① 完成度より「伸びしろ」が見える
まず大前提として。今その場で完璧な子が、必ずしも選ばれるわけじゃありません。
むしろ現場が見ているのは「この子、半年後どうなってるだろう?」という未来。
声や表現にまだ粗さがあっても
・指摘を素直に受け取れる
・吸収が早い
・変わることを怖がらない
この“変化できる力”は、特に今の時代、強い武器です。トランスジェンダーの表現者も含め、自分自身と向き合い続けてきた人ほど、この伸びしろを持っていると感じる場面は少なくありません。
② 自分の言葉で話せる
よくある自己PRタイムなどにもある質疑応答で差がつくのは、ここ。
上手にまとめた答えよりも、少し詰まりながらでも「自分の言葉」で話す子が、圧倒的に印象に残ります。
・なぜこの世界に来たいのか
・どんなことで悩んできたのか
・何が怖くて、何にワクワクしているのか
特に、自分のアイデンティティや生き方と向き合ってきた人の言葉にはどうしても嘘のない重みが出る。それは演技力とは別の、表現者としての強さです。
③ 緊張していても「感じがいい」
これは実はけっこう本当に大事。
緊張して声が震えても
・挨拶ができる
・相手の目を見ようとする
・最後にきちんと感謝を伝えられる
それだけで、評価は一段上がります。審査員は無意識に、「この子と現場で過ごす時間」を想像しているからです。
④ “自分は何者か”をうっすら分かっている
キャラを作り込む必要はありません。でも、「私は、どんな存在として覚えてもらいたいか」
これをうっすらでも自覚している子は強いです。かわいい、クール、柔らかい、少し不思議。
性別に関係なく、自分なりの輪郭を持っている人は、記憶に残ります。

Seraでは、オーディションを「選ばれる・選ばれない」だけの場だとは考えていません。
むしろその人が“自分の物語を表に出す場所”と考えます。トランスジェンダーであることも、
そうでないことも、それ自体が武器になるかどうかは文脈次第。大切なのは、
「自分の人生を、ちゃんと引き受けて立っているか」少し未完成で、少し不器用で、でも前に進もうとしている人。
そういう人が、結果的にオーディションを“勝ち抜いていく”。
エンタメの世界は今、そんな人材をちゃんと待ち始めています。
